2026年10月06日

高血圧に対する運動療法 ~血圧を下げるために、どんな運動をどのくらいすればいい?~
宝塚市で高血圧の診療を行っている「なむら内科クリニック」です。
当院では、循環器専門医・総合内科専門医が、高血圧をはじめとする生活習慣病や循環器疾患の診療を行っています。
「血圧が高いので、運動をしてください」
健康診断や診察で、このように言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
高血圧の治療というと、「血圧の薬を飲むこと」や「塩分を控えること」がまず思い浮かぶかもしれません。しかし、適度な運動を習慣にすることも、高血圧の大切な治療のひとつです。
👉 一方で、
「高血圧にはどんな運動がいいの?」
「毎日運動しないといけない?」
「何分くらい歩けばいい?」
「高血圧でも筋トレをして大丈夫?」
「血圧が高い日に運動しても大丈夫?」
など、疑問をお持ちの方も多いと思います。
今回は、高血圧の方におすすめの運動療法について、宝塚市のなむら内科クリニックがわかりやすく解説します。
高血圧に運動が大切なのはなぜ?
🏥適度な運動を習慣的に行うと、血管の機能が改善し、血圧を下げる効果が期待できます。
また、運動には血圧を下げるだけでなく、
🌸肥満の予防・改善
🌸血糖値の改善
🌸中性脂肪など脂質代謝の改善
🌸筋力や体力の維持
🌸心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患の予防
など、さまざまなメリットがあります。
高血圧の方では、糖尿病や脂質異常症、肥満などの生活習慣病を合併していることも少なくありません。
そのため、運動は血圧だけでなく、生活習慣病全体を改善し、将来の循環器疾患を予防するためにも重要です。。
運動すると、血圧はどのくらい下がる?
👉「運動だけで、本当に血圧が下がるの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、高血圧に対する運動療法には、きちんとした降圧効果が認められています。
高血圧の方が定期的に有酸素運動を行うことで、
収縮期血圧(上の血圧):約3~5mmHg低下
拡張期血圧(下の血圧):約2~3mmHg低下
することが期待されています。
「数mmHgだけ?」と思われるかもしれませんが、高血圧の治療は長期間にわたって続けるものです。
運動だけに頼るのではなく、減塩、適正体重の維持、節酒、禁煙、十分な睡眠、そして必要に応じた降圧薬による治療などを組み合わせることが大切です。
高血圧におすすめなのは「有酸素運動」です
高血圧の方にまずおすすめしたいのが、有酸素運動です。
具体的には、以下のような有酸素運動をおすすめします。

❗️特別な道具を用意する必要はありません❗️
👉 そのため、これから運動を始める方には、まずウォーキングがおすすめです。
☀️「運動のための時間」をなかなか作れない方は、
・「買い物まで歩いて行く」
・「エレベーターではなく階段を使う」
・「少し遠い場所に車を停めて歩く」
・「家事や掃除で積極的に体を動かす」
など、日常生活の中で身体活動を増やすところから始めてもよいでしょう。
膝や腰が悪い場合の、高血圧の運動療法はないの?
なむら内科クリニックでは、関節リウマチや、変形性膝関節症、乾癬性関節炎など、関節に病気を患った方が多数来院されています。
皆様、やはり膝関節などが痛いため、「運動療法が難しい」といった声が多いです。
そのような患者様には、水中ウォーキングがおすすめです!
水中ウォーキングは、足腰の負担を減らし、尚且つ、水中の抵抗で、筋肉量も増えるため、非常に有効です。
🌟もし、お近くに屋内プールなどの施設があれば、ぜひご利用ください。
高血圧の運動はどのくらいの強さがいい?
❗️運動は、「きつければきついほど血圧が下がる」というものではありません。
高血圧の運動療法では、中等度(「ややきつい」と感じる程度)の運動が一般的にすすめられています。
ウォーキングであれば、
「少し息が弾むけれど、会話はできる」
くらいを一つの目安にするとよいでしょう。
反対に、
「息が切れて会話ができない」
「胸が苦しい」
「かなり無理をしている」
という状態は、運動強度が高すぎる可能性があります。
特に、これまでほとんど運動をしていなかった方が、突然激しい運動を始める必要はありません。
👉 まずは無理のない強さから始め、少しずつ運動量を増やしていきましょう。
高血圧の運動は1日何分?週何回?
高血圧の方では、「できれば毎日、30分以上の有酸素運動」が一つの目安になります。
ただし、「毎日30分も歩く時間がありません」という方も多いと思います。
🌟 その場合、最初から完璧を目指す必要はありません。
例えば、 朝10分 + 昼10分 + 夕方10~20分
というように、運動する時間を分ける方法もあります。
大切なのは、一時的に頑張ることではなく、運動を習慣として長く続けることです。
これまで運動習慣がなかった方は、
🌟「まずは今より1日10分多く歩く」🌟 というところから始めてみましょう。
高血圧の運動はどのくらいの強さがいい?
❗️運動は、「きつければきついほど血圧が下がる」というものではありません。
高血圧の運動療法では、中等度(「ややきつい」と感じる程度)の運動が一般的にすすめられています。
ウォーキングであれば、
「少し息が弾むけれど、会話はできる」
くらいを一つの目安にするとよいでしょう。
反対に、
「息が切れて会話ができない」
「胸が苦しい」
「かなり無理をしている」
という状態は、運動強度が高すぎる可能性があります。
特に、これまでほとんど運動をしていなかった方が、突然激しい運動を始める必要はありません。
👉 まずは無理のない強さから始め、少しずつ運動量を増やしていきましょう。
高血圧でも筋トレをしていい?
高血圧の方でも、適切な強度であれば筋力トレーニングを行うことができます。
例えば、以下のような筋力トレーニングがお勧めです。

🌟 筋力を維持することは、特に中高年以降のフレイルやサルコペニア(筋肉量や筋力の低下)の予防にも重要です。
一方、筋トレでは注意していただきたいことがあります。
それは、
❗️「息を止めて力まないこと」❗️です。
重いものを持ち上げるときなどに、息を止めて強く力むと、一時的に血圧が大きく上昇することがあります。
高血圧の方は非常に重い重量を無理に持ち上げるような運動は避け、
👉 呼吸を続けながら無理のない負荷で行うことが大切です。
忙しくて運動する時間がない場合は?
❗️「仕事が忙しくて運動する時間がありません」❗️
という方も多いと思います。
そのような場合には、必ずしもスポーツジムに通ったり、まとまった運動時間を作ったりする必要はありません。
例えば、
・通勤時に少し遠回りして歩く
・一駅分歩く
・階段を使う
・昼休みに10分歩く
・買い物を徒歩や自転車にする
・掃除などの家事で積極的に体を動かす
といった方法でも、身体活動量を増やすことができます。
🌸「運動する時間を作る」というより、「普段の生活の中で動く時間を増やす」🌸と考えると、続けやすくなります。
血圧が高い日でも運動して大丈夫?
高血圧があるからといって、すべての方が運動を控えなければならないわけではありません。
むしろ、適切な運動は高血圧治療の重要な一部です。
ただし、血圧が非常に高い状態で激しい運動を行うことはおすすめできません。
また、
⚡️胸の痛み・圧迫感がある
⚡️動悸や息切れが強い
⚡️めまいやふらつきがある
⚡️心臓病を指摘されている
⚡️心筋梗塞や脳卒中などの既往がある
⚡️血圧が著しく高い(上の血圧が180mmHgを超える)
といった場合には、自己判断で運動を始めず、まず医師に相談しましょう。
特に、高血圧に加えて心臓病や不整脈などの循環器疾患をお持ちの方は、運動を開始する前に循環器内科へ相談することをおすすめします。
運動中に胸痛、強い息切れ、めまい、冷や汗などの症状が出た場合には、すぐに運動を中止してください。
高血圧の運動療法で大切なのは「続けること」
高血圧に対する運動療法で最も大切なのは、
「無理なく続けること」です。
最初から、「毎日30分歩かないといけない」と考える必要はありません❗️
まずは、「今より10分多く歩いてみる」ところから始めてみましょう。
10分のウォーキングでも、それを習慣にすることが次のステップにつながります。
慣れてきたら20分、30分と少しずつ増やしていきましょう。
まとめ|宝塚市で高血圧についてお悩みの方へ
🏥高血圧の治療では、降圧薬による治療だけでなく、減塩などの食事療法と運動療法を含めた生活習慣の改善が重要です。
🌟運動療法のポイントは、
① ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめ
② 「ややきつい」と感じる程度を目安にする
③ できれば毎日30分以上を目標にする
④ 難しければ短時間から始めてもOK
⑤ 筋トレは無理のない負荷で、息を止めない
⑥ 最も大切なのは「無理なく継続すること」
です。
高血圧は自覚症状がほとんどないことも多い病気ですが、適切に管理せずにいると、将来的に脳卒中、心筋梗塞、心不全、慢性腎臓病などのリスクにつながります。
そのため、単に「血圧の数字を下げる」だけではなく、将来の心血管疾患を予防するという視点で血圧を管理していくことが大切です。
なむら内科クリニックは、宝塚市・JR中山寺駅から徒歩9分の内科・循環器内科・リウマチ内科クリニックです。
当院では、循環器専門医・総合内科専門医による高血圧の診療を行っています。
「健康診断で血圧が高いと言われた」
「家庭血圧が高くなってきた」
「血圧の薬を始めた方がよいのか分からない」
「高血圧に加えて、動悸や息切れも気になる」
「高血圧の食事や運動について相談したい」
といった方も、お気軽にご相談ください。
宝塚市で高血圧や循環器疾患についてお悩みの方に、患者さん一人ひとりの年齢、血圧、生活習慣、合併症などに合わせた治療・生活習慣改善をご提案します。
アクセス・ご予約
なむら内科クリニック
兵庫県宝塚市長尾町1−15
JR「中山寺駅」徒歩9分
WEB予約はこちら
執筆者情報
奈村憲幸
(医学博士/日本リウマチ学会リウマチ専門医/リウマチ指導医/日本内科学会総合内科専門医)
奈村夕紀子
(日本循環器学会循環器専門医/日本内科学会総合内科専門医)
この記事の監修者
奈村 夕紀子(なむら ゆきこ)

副院長 なむら内科クリニック
得意な診療・専門領域
- 循環器
- 呼吸器内科
保有資格
- 日本内科学会 認定内科医、日本循環器学会 循環器専門医、難病指定医、日本内科学会 総合内科専門医、日本内科学会 内科指導医
所属学会
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本腫瘍循環器学会
- 日本超音波医学会
- 日本心臓リハビリテーション学会
監修者紹介
2015年に兵庫医科大学医学部医学科を卒業後、宝塚市立病院にて循環器内科医長などを歴任。救急現場での重症患者様の集中治療から、退院後の外来フォロー、健診異常の精査まで、急性期から安定期まで多岐にわたる診療に携わってまいりました。エビデンスに基づいた確かな検査・治療を土台としながら、地域の皆様のかかりつけ医として質の高い医療を提供しています。
診療で大切にしていること
病気そのものだけでなく、「その方の生活」まで見据えた長く寄り添う医療を大切にしています。循環器疾患や生活習慣病は長期的な管理が必要になるため、「どこを受診したらいいかわからない」「他院で強く言われて不安になった」という方のお気持ちも受け止め、相談しやすいあたたかな雰囲気づくりを心がけています。ご本人にとって納得できる選択肢を一緒に考えていきます。