その他のリウマチ疾患
その他のリウマチ疾患

リウマチ性多発筋痛症は、原因がはっきり分かっていない炎症性の疾患で、主に首(頸部)、肩、腰、太もも(大腿)などに痛みや強いこわばりが生じる病気です。「痛くて寝返りがうてない」「こわばりで起き上がれない」「肩や腕が上がらなくなった」といった、日常生活に支障をきたす症状がみられます。
名前に「リウマチ性」とついているため、関節リウマチと混同されることがありますが、関節リウマチとは異なる病気です。関節リウマチが「関節内」に炎症を起こしやすいのに対し、リウマチ性多発筋痛症では、肩や股関節などの大きな関節周囲に炎症を起こします。
50歳以上で突然症状が現れることが多いとされ、それまで元気に生活していた方が、ある日を境に急に痛みやこわばりを感じるようになるケースも少なくありません。
リウマチ性多発筋痛症は、関節リウマチや他の炎症性疾患との鑑別が重要となります。
当院では、精密な関節超音波検査と院内で迅速に測定可能な血液検査機器を用いて診断を進めることが可能です。
これにより、早期診断・早期治療につなげることを重視しています。
リウマチ性多発筋痛症の治療には、ステロイドが用いられます。この病気はステロイドがよく効くことが多く、治療を開始すると数日以内に痛みやこわばりが著しく改善することも珍しくありません。
ただし、症状が落ち着いた後も、急に薬を中止すると再燃することがあるため、医師の指示のもとで慎重に薬の量を調整しながら治療を続けることが重要です。再発を繰り返す場合や、ステロイドの副作用が問題となる場合には、他の抗リウマチ薬を併用して治療を行うこともあります。
「高齢になってから急に肩や腰が痛くなった」「朝のこわばりが強く、動き始めるまでに時間がかかる」といった症状がある場合は、年齢のせいと決めつけず、お早めにご相談ください。
乾癬性関節炎は、皮膚の病気である「乾癬(かんせん)」を持つ方に起こる炎症性の関節疾患です。乾癬の患者様のうち、約10〜30%の方が発症するといわれています。
乾癬性関節炎には、関節リウマチとは異なる特徴的な症状があります。
進行すると、関節リウマチと同様に関節の破壊や変形をきたします。
はっきりとした原因はまだ分かっていませんが、免疫の異常、遺伝の他に、糖尿病・肥満などの生活習慣病が原因とされています。
男女差はほとんどなく、30〜50代の働き盛りの方に多いことも特徴です。
そのため、生活習慣病の管理が大切です。
症状のタイプによって治療法が異なります。
症状や病態に応じて、痛み止め(NSAIDs)や、抗リウマチ薬を使用します。当然、尋常性乾癬の治療も大切です。必要に応じて生物学的製剤やJAK阻害薬など、より専門的な治療を選択することもあります。
乾癬がある方で、関節が痛む、朝こわばる、かかとやアキレス腱が痛い、指全体が腫れている、といった症状がある場合、乾癬性関節炎の可能性があります。
放置すると関節破壊につながることがあるため、早めの受診をおすすめします。
末梢性脊椎関節炎とは、手指や足指などの末梢の関節に炎症が起こるタイプの脊椎関節炎です。関節リウマチとよく似た症状が出るため、誤診されやすいことが特徴です。
ただし、関節リウマチと異なり、炎症が起こる場所は「関節内」ではなく、「腱の付着部(アキレス腱、膝蓋腱、足底腱など)」に炎症が出るという違いがあります。このため、血液検査では異常が出にくく、見逃されるケースが少なくありません。
末梢性脊椎関節炎には、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患に関連した関節炎、反応性関節炎などが含まれます。近年では、溶連菌感染や尿路感染をきっかけに発症する反応性関節炎も注目されています。
症状の大きな特徴は、安静時に悪化しやすく、夜間痛が出やすいこと、そして体を動かすことで痛みが改善しやすい点です。
治療は従来、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が中心でしたが、現在は生物学的製剤も保険適用となり、治療の選択肢が広がっています。
「多関節痛や腫れがあるのに『リウマチではないから様子見』と言われた方」、ぜひ一度ご相談ください。
体軸性脊椎関節炎は、背骨・仙腸関節・胸鎖関節などの体幹部の関節に炎症が起こるタイプの脊椎関節炎です。末梢性脊椎関節炎の“体幹版”と考えていただくと分かりやすいかと思います。強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、反応性関節炎などが含まれます。
症状として多いのは、特に、仙腸関節の炎症による臀部(おしり)の深い痛み、胸肋関節・胸鎖関節の炎症による前胸部の痛みがみられます。これらの痛みは末梢性と同様に、安静で悪化し、夜間に強まりやすい反面、運動で軽くなる特徴があります。
診断には、骨や関節の変化を詳しく確認するため、総合病院でのMRIやCT検査が必要になります。
このような疾患が疑われる方は、総合病院での精査が必要であるため、適宜ご紹介しますので、ご相談ください。
痛風とは、ある日突然、「風にあたっただけでも痛い」と表現されるほどの強烈な痛みが起こる病気です。特に足の親指のつけ根に激しい痛みと腫れが生じることが多く、この突然の激痛を「痛風発作」と呼びます。
痛風の原因は高尿酸血症(血液中の尿酸値が高い状態)です。尿酸が長期間高いまま放置されると、尿酸の結晶が関節にたまり炎症を引き起こします。
痛風発作は、足の親指のつけ根に最も起こりやすいことが特徴ですが、その他にも、足首や膝、手首、肘など、さまざまな関節で生じることがあります。ただし、痛風は基本的に一度に1つの関節だけに急激な痛みが出るという特徴があり、複数の関節に同時に起こることは稀です。
痛みは2〜3日がピークで、その後少しずつ軽くなり、1週間〜10日程度で自然に消えることが多いです。しかし、自然に引いたからといって安心してはいけません。
治療の中心は、炎症や痛みを抑える対症療法となります。具体的には、消炎鎮痛剤(NSAIDs)や、症状が強い場合には関節内へのステロイド注射を行うことがあります。また、再発を繰り返す場合には、コルヒチンを用いることもあります。
加えて、高尿酸血症の治療も重要になります。
痛風は適切な治療を受ければ、再発を防ぎながら普段どおりの生活を送ることができます。
しかし、治療せず放置した場合は以下のリスクが高まります。
そのため、日頃から尿酸値をしっかり管理することが非常に大切です。
整形外科を受診される方も多いですが、痛風の根本治療は「尿酸値を下げる内科的治療」であるため、コントロールは内科が最適です。
尿酸値の管理は、痛風の予防・再発防止、そして将来の腎臓を守るために欠かせません。気になる症状があれば、どうぞ早めにご受診ください。
偽痛風とは、関節の中にピロリン酸カルシウムというカルシウムの結晶が沈着することによって起こる関節炎です。名称に「痛風」とついていますが、原因となる物質は尿酸ではなくカルシウムであり、痛風とは異なる病気です。
偽痛風は、加齢とともに発症頻度が高くなることが特徴で、主に中高年から高齢の方に多くみられます。痛風が比較的若い世代にも起こるのに対し、偽痛風は高齢者に多いため、テレビやインターネットなどのメディアで取り上げられる機会が少なく、症状があっても病名が知られていないことが少なくありません。
偽痛風は、ある日突然、関節に強い痛みや腫れ、熱感が生じることが特徴です。特に膝関節に起こることが最も多く、歩くことが困難になるほどの痛みを伴うこともあります。また、膝以外にも足首、手首、肩などの関節に発症することがあります。
痛風では1つの関節だけに症状が出ることが多いのに対し、偽痛風では複数の関節が同時に腫れることもあり、発熱を伴うこともあります。そのため、初めて症状が出た場合には、細菌感染による関節炎との区別が必要となることもあります。
偽痛風の治療では、原因が尿酸ではないため、尿酸値を下げる薬は使用しません。治療の中心は、痛風と同じ治療を行います。
しかし、痛風とは異なり、コルヒチンの内服が継続されることが推奨されます。
偽痛風は、高齢化社会の進行とともに増えている病気ですが、一般にはまだ十分に知られていません。
「膝が急に腫れた」「関節が熱をもって痛む」「痛風ではないと言われたが原因が分からない」といった症状がある場合は、放置せずお早めにご相談ください。
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