2026年10月20日

関節リウマチの検査について ~血液検査編~ リウマチ専門医・指導医が分かりやすく解説|宝塚市・川西市・伊丹市・三田市でリウマチの検査をご希望の方へ
はじめに
「1ヶ月ぐらい、朝になると手の指がこわばる」
「指の関節が腫れて、痛みが続いている」
「健康診断でリウマチ因子が陽性と言われた」
このような症状や検査結果から、関節リウマチではないかと心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、朝のこわばりなどを引き起こす自己免疫疾患です。
関節リウマチは、早期に診断して適切な治療を開始することが、将来的な関節の変形や機能障害を防ぐために非常に重要です。
その診断に欠かせない検査の一つが「血液検査」です。
しかし、血液検査だけで関節リウマチと診断できるわけではありません。
👉このコラムでは、
宝塚市・川西市・伊丹市・三田市のなむら内科クリニックのリウマチ専門医・指導医が、関節リウマチの診断に用いる血液検査について、分かりやすく解説します。
関節リウマチの血液検査では何を調べるの?
関節リウマチの血液検査は、大きく分けると次の2つの目的があります。
1.関節リウマチに関連する自己抗体を調べる検査
・リウマトイド因子(RF)
・抗CCP抗体
2.体内の炎症の程度を調べる検査
・CRP(C反応性タンパク)
・MMP-3(マトリックスメタロプロテアーゼ3)
これらの検査を組み合わせることで、関節リウマチの可能性や、関節炎、体全体の炎症の程度を評価します。
ただし、それぞれの検査には特徴があり、検査結果が陽性だからといって、必ず関節リウマチというわけではありません。
リウマトイド因子(RF)とは?
リウマトイド因子(RF)は、関節リウマチの診断に古くから使用されている血液検査です。
RFは、免疫グロブリンG(IgG)という抗体に反応する自己抗体の一種です。
関節リウマチの患者さんでは、約70~80%でRFが陽性になるとされています。
そのため、関節リウマチを疑う際に重要な検査の一つです。
❗️ RFが陽性なら、関節リウマチなのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
RFは関節リウマチ以外にも、下記のような場合に陽性となることがあります。
・シェーグレン症候群などの他の自己免疫疾患
・慢性感染症や一部の肝疾患
・特に、リウマチ因子を持っているだけで、健康な方
そのため、RFが陽性という結果だけで、関節リウマチと診断することはできません。
反対に、RFが陰性でも関節リウマチの患者さんはいらっしゃいます。
RFは重要な検査ですが、関節の症状や他の検査結果と組み合わせて判断する必要があります。
抗CCP抗体とは? ~関節リウマチの診断に重要な検査~
抗CCP抗体は、関節リウマチの診断と予後を調査するために、非常に重要な血液検査です。
抗CCP抗体は、シトルリン化という変化を受けたタンパク質に対して作られる自己抗体です。
関節リウマチの患者さんの約70%で陽性になるとされ、
RF(リウマチ因子)と比較して、関節リウマチに対する特異性が高いことが特徴です。
この採血検査は、保険診療の関係で、炎症をみるマーカーと、リウマチ因子(RF)と、この抗CCP 抗体は、3つの項目を同日に採取してはいけないと、規定されています。
そのため、重要な検査項目ではありますが、症状や、家族歴などからも、強く疑う場合に、実施します。
❗️抗CCP抗体が陽性なら、関節リウマチの可能性が高い?
抗CCP抗体が陽性で、関節の症状がある場合、関節リウマチの可能性が高くなります。
そのため、抗CCP抗体が陽性なのに、関節リウマチと診断されなかった場合でも、定期的な検査と診察に通院されることを、推奨しています。
また、関節リウマチと診断された場合、抗CCP抗体が高ければ、将来的に関節破壊が進行しやすい傾向があることも知られています。そのため、抗CCP抗体が高い場合、治療強化の目安になります。
ただし、抗CCP抗体が陽性であっても、必ず関節リウマチを発症しているとは限りません。
抗CCP抗体は関節リウマチの診断に非常に有用ですが、最終的には専門医による総合的な判断が必要です。
CRPとは? ~体内の炎症を調べる検査~
CRP(C反応性タンパク)は、体内で炎症が起こると血液中で増加するタンパク質です。
関節リウマチでは、関節の内側にある「滑膜」という組織に炎症が起こるため、CRPが上昇することがあります。
CRPは、関節リウマチの炎症の程度や治療効果を確認するために重要な検査です。
CRPが正常なら関節リウマチではない?
⚡️実は、そうとは限りません。
関節リウマチの患者さんの中には、関節に炎症があってもCRPが正常範囲内の方がいらっしゃいます。
特に、手指の関節や、足趾の関節のみに関節炎が起こっている、早期の関節リウマチの場合は、
実際に、関節炎を起こしていても、CRPがあまり上昇しないことがあります。
反対に、CRPは、風邪や、細菌感染症や他の炎症性疾患でも上昇します。
そのため、CRPが高いから関節リウマチ、正常だから関節リウマチではない、という判断はできません。
MMP-3とは? ~関節の炎症を反映する検査~
MMP-3(マトリックスメタロプロテアーゼ3)は、関節の滑膜などで作られる酵素の一種です。
関節リウマチでは、滑膜に炎症が起こることでMMP-3が増加することがあります。
MMP-3は、関節リウマチの病勢や関節破壊のリスクを評価する際の補助的な指標として用いられます。
ただし、MMP-3は関節リウマチに特有の検査ではありません。
他の関節疾患や炎症性疾患でも上昇することがあり、腎機能やステロイドなどの影響を受ける場合もあります。
そのため、MMP-3単独で関節リウマチを診断することはできません。
関節リウマチの診断には、画像検査も重要です
ここまで血液検査について説明してきましたが、関節リウマチの診断には、実際に「関節で炎症が起こっているか」、「関節の変形が起こっていないか」を確認することが非常に重要です。
そのために有用なのが、関節超音波検査(関節エコー検査)とレントゲン検査です。
☀️ 関節エコー検査では、関節の内部を超音波で観察し、滑膜の肥厚や炎症による血流の増加などを確認できます。
また、通常の診察では分かりにくい関節の炎症を見つけられる場合もあります。
☀️ レントゲン検査では、関節の変形や骨びらんといった、関節リウマチで特徴的なレントゲン変化を確認できます。
特に、血液検査では異常がないものの、関節の腫れや痛みが続いている患者さんでは、関節エコーが診断の重要な手がかりになることがあります。
なむら内科クリニックでは、リウマチ専門医・指導医が、血液検査だけでなく、関節の診察や関節エコー検査を組み合わせて総合的に評価することを大切にしています。
🌟 この画像検査については、別コラムで、詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
診断後の血液検査について 〜備考〜
🏥 診断後も、血液検査が、非常に重要となります。
❗️治療には、免疫抑制剤や、ステロイド、生物学的製剤、JAK製剤など、専門的な薬剤投与が必要となります。
これらの薬剤では、
まずは、治療効果の判定として、CRPや血球数などの一部の検査で判断します。
また、肝臓や腎臓機能や、血球数を見て、薬剤の減量や中止を判断します。
一般的なクリニックでは、こういった血液検査の結果は、次回の診察(1−2ヶ月後)に説明されることが多く、
その間に、腎機能障害や、肝臓機能障害が続いているといった可能性もあります。
なむら内科クリニックでは、院内血液検査機器を導入しており、CRPや血球数、肝臓、腎臓機能などの一部の検査については、当日中に結果を確認することが可能です。
👉 この院内血液検査機器の導入にて、可能ながぎり、治療効果の判定や、薬の副作用の有無を迅速に判断し、
その当日に治療方針を決定し、患者様の健康につながるよう努めています。
一方、RFや抗CCP抗体などの専門的な検査は、結果が出るまでに日数を要する場合があります。
関節リウマチは、早期診断・早期治療が重要な疾患です。
「血液検査では異常がないと言われたけれど、関節の痛みが続いている」
「リウマチ因子が陽性と言われたので、専門医に相談したい」
「関節リウマチかどうか、詳しく検査を受けたい」
このような方は、お気軽にご相談ください。
感染症が心配な患者様にも、安心して通院していただくために
関節リウマチの治療では、免疫抑制剤や生物学的製剤など、免疫の働きを調整するお薬を使用することがあります。
そのため、患者様から「病院に行くことで、風邪やインフルエンザなどの感染症がうつらないか心配」というお声をいただくことがあります。
なむら内科クリニックでは、そのような患者様にも安心して通院していただけるよう、院内感染対策に力を入れています。
当院では、通常の診療スペースとは別に、「発熱外来」を設けており、発熱や感染症が疑われる患者様と、一般診療の患者様の動線を分けています。

また、院内だけでなく、エレベーター内の換気にも配慮し、感染リスクをできる限り低減できる環境づくりに努めています。
感染リスクを完全になくすことはできませんが、免疫抑制剤や生物学的製剤を使用されている患者様にも、できる限り安心して継続的な治療を受けていただけるクリニックを目指しています。
宝塚市はもちろん、川西市・伊丹市・西宮市など近隣地域で、関節リウマチや膠原病の治療を受けられている方も、どうぞ安心してご相談ください。
まとめ ~関節リウマチは血液検査だけでは診断できません~
関節リウマチの診断では、RF・抗CCP抗体・CRPなどの血液検査が重要な役割を果たします。
しかし、血液検査で異常があっても必ず関節リウマチとは限らず、反対に、すべて正常でも関節リウマチの可能性があります。
大切なのは、血液検査の結果だけで判断せず、関節の症状や診察所見、レントゲン、関節エコーなどの画像検査を組み合わせて総合的に評価することです。
宝塚市・川西市・伊丹市・三田市周辺で、関節リウマチの血液検査や専門医による診察をご希望の方は、なむら内科クリニックにご相談ください。
当院では、リウマチ専門医・指導医が、患者さん一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心がけています。
宝塚市内に加え、川西市・伊丹市・三田市からリウマチの専門診療をご検討の方も、お気軽にご相談ください。
アクセス・ご予約
なむら内科クリニック
兵庫県宝塚市長尾町1−15
JR「中山寺駅」徒歩9分
WEB予約はこちら
執筆者情報
奈村憲幸
(医学博士/日本リウマチ学会リウマチ専門医/リウマチ指導医/日本内科学会総合内科専門医)
奈村夕紀子
(日本循環器学会循環器専門医/日本内科学会総合内科専門医)
この記事の監修者
奈村 憲幸(なむら のりゆき)

院長 なむら内科クリニック
得意な診療・専門領域
- リウマチ
- 膠原病
- 呼吸器疾患
保有資格
- 日本内科学会 認定内科医、日本リウマチ学会 リウマチ専門医、難病指定医、日本リウマチ学会 リウマチ指導医、日本内科学会 総合内科専門医、日本内科学会 内科指導医 医学博士
所属学会
- 日本内科学会
- 日本リウマチ学会
- 日本骨粗鬆症学会
- 日本アレルギー学会
- 日本臨床免疫学会
監修者紹介
2014年に兵庫医科大学医学部医学科を卒業後、宝塚市立病院にてリウマチ科医長・主任医長などを歴任。13年間にわたり初期診断から高度医療まで幅広く携わるとともに、大学院での臨床研究を経て医学博士を取得しました。難病指定医として、近隣の総合病院でも診断が難しい症例を数多く経験し、専門的な知見から早期診断・早期治療に尽力しています。
診療で大切にしていること
「健康寿命を延ばすこと」を軸とし、専門領域だけを見るのではなく、患者様の全身を診る姿勢を大切にしています。リウマチや膠原病の患者様であっても、高血圧や骨粗鬆症といった合併症・生活習慣病を含めて総合的にサポートいたします。検査データだけでなく、日常生活で困っていることや見えない不安まで丁寧に伺い、納得して治療を進められるよう真摯に向き合います。