膠原病
膠原病

シェーグレン病は、目や口の乾燥(ドライアイ・ドライマウス)を主な症状とする自己免疫疾患です。本来は体を守るはずの免疫が異常を起こし、涙や唾液を作る臓器である涙腺や唾液腺に炎症が起こることで、乾燥症状が生じます。
症状の程度は人によってさまざまで、乾燥症状だけが目立つ方もいれば、体のさまざまな臓器に炎症が及ぶ方もいます。
症状の変化や合併症の有無を確認しながら適切に管理していくことが大切であるため、定期的な通院・検査が必要になります。
治療は、まず乾燥症状を軽減する目的で、人工涙液の点眼や人工唾液の使用などの対症療法を行います。また、口腔乾燥の改善が期待できる薬剤として、ピロカルピン塩酸塩(サラジェン)などを使用することがあります。必要に応じて、免疫抑制剤などの治療を組み合わせることもあります。
「目が乾きやすい」「口が渇いて水を飲まないと食事がしづらい」など、気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
強皮症(全身性強皮症)は、免疫の異常によって皮膚や血管、内臓が硬くなる(線維化する)病気です。皮膚だけの病気と思われがちですが、体のさまざまな臓器に影響することがあり、早期から専門的な評価と管理が重要になります。
強皮症で最も特徴的で、かつ初期からみられやすい症状が「レイノー症状」です。レイノー症状とは、少しの寒さや冷たさ(寒冷刺激)をきっかけに、指先の血流が悪くなり、指が白くなったり紫色になったりする症状です。
レイノー症状は「しもやけ」や「冷え」と誤解されることも多く、一般内科や皮膚科など、専門的な知識がないと見過ごされてしまうケースも少なくありません。しかし、放置していると血流障害が進行し、指先や足先に傷ができたり、重症の場合には壊死に至る可能性もあります。
また、強皮症では皮膚症状だけでなく、重要な臓器合併症として間質性肺炎、肺高血圧症、腎障害などが起こることがあります。これらの有無は生命予後にも関わるため、定期的な評価が欠かせません。特に、胸部レントゲンや血液検査に加え、心臓超音波検査を行い、肺や心臓への影響を早期に把握することが重要です。
当院では循環器専門医が在籍しており、総合病院と同様の精密な超音波検査機器を用いた定期的な評価が可能です。患者様お一人おひとりの病状に応じて、必要な検査と治療を適切に行ってまいります。
もし入院での精査や治療が必要と判断した場合には、リウマチ・膠原病を専門に診る総合病院へ迅速に紹介・調整いたします。また、入院先が少し遠方になる場合でも、退院後は当院で外来治療を継続できますのでご安心ください。
皮膚筋炎・多発性筋炎は、免疫の異常(自己免疫反応)により、筋肉に炎症が起こって筋力低下や筋肉痛をきたす病気(筋炎)です。顔や手などに特徴的な皮疹を伴うものを「皮膚筋炎」、皮疹を伴わないものを「多発筋炎」と呼びます。
症状は、徐々に肩や太ももなど体の中心に近い筋肉(体幹や近位筋)に力が入りにくくなることが特徴で、「階段の上り下りがつらい」「椅子から立ち上がりにくい」「腕が上がりにくい」など、日常生活で気づかれることが多いです。
皮膚筋炎ではこれらの筋症状に加えて、顔面の紅斑や手指の皮疹など特徴的な皮膚症状がみられます。
皮膚筋炎・多発性筋炎で特に注意が必要な合併症として、間質性肺炎(肺線維症)があります。これは治療のタイミングが重要な合併症であり、治療介入が遅れると生命予後に影響する可能性があるため、早期診断と早期治療がとても大切です。
疑われる場合には、血液検査・画像検査などに加えて、自己抗体などの特殊な血液検査も行い、診断やスクリーニングを進めます。
当院では、膠原病診療に経験豊富な専門医が診察を行い、早期診断に努めています。この病気も、診断時や治療開始時に入院での精査・治療が必要となる場合があります。
入院での精査や治療が必要と判断した場合には、リウマチ・膠原病を専門に診る総合病院へ迅速に紹介・調整いたします。また、入院先が少し遠方になる場合でも、退院後は当院で外来治療を継続できますのでご安心ください。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、膠原病の代表的な疾患のひとつで、免疫の異常(自己免疫反応)によって全身のさまざまな臓器に炎症が起こる病気です。男性にもみられますが、患者様の多くは女性で、特に20~40代の女性に発症しやすいことが知られています。
患者様ごとに現れる症状や障害される臓器、重症度には大きな個人差があります。そのため、初期には見過ごされてしまうこともあります。
特に、若い女性で尿たんぱくや腎機能異常、貧血、白血球の異常などがきっかけで見つかるケースが多く、一般内科では判断が難しいことも少なくありません。
SLEが疑われる場合は、特別な血液検査(自己抗体など)を含めた検査により診断・スクリーニングを行います。
治療は重症度や障害されている臓器によって異なりますが、基本的にはステロイド薬や免疫抑制剤を中心に、炎症を抑え再燃を防ぐ治療を行います。SLEは早期発見・早期治療が非常に重要であり、適切な治療により病勢をコントロールしながら生活を送ることが可能な病気です。
病状によっては、診断時や治療開始時に入院での精査・治療が必要となる場合があります。
当院では、膠原病診療に経験豊富な専門医が診察を行い、早期診断に努めています。入院治療が必要と判断した場合には、リウマチ・膠原病を専門に診る総合病院へ迅速に紹介・調整いたします。また、入院先が少し遠方になる場合でも、退院後は当院で外来治療を継続できますのでご安心ください。
血管炎症候群とは、自己免疫異常により、血管そのものに炎症が起こる病気の総称です。
血管は全身のあらゆる臓器に酸素や栄養を運ぶ重要な通り道であるため、さまざまな症状や臓器障害を引き起こします。
血管炎症候群では、初期症状として持続する発熱(37.5度以上)、倦怠感、体重減少、皮膚の紫斑など、当初は風邪や疲労と見分けがつきにくいことがあります。また、アレルギーで起こる血管炎もあるため、成人から気管支喘息を発症された方は要注意です!
しかし、そのまま放置すると、腎臓・肺・神経・心臓などに障害が及び、重症化する場合もあるため、早期診断・早期治療が非常に重要です。
診断では、症状の経過や身体診察所見に加えて、血液検査(炎症反応、自己抗体〔ANCAなど〕)、尿検査、画像検査を組み合わせて総合的に判断します。必要に応じて、生検(組織を採取する検査)を行うこともあります。
治療は、血管炎の種類や重症度によって異なりますが、基本的にはステロイド薬や免疫抑制剤を用いて炎症を抑える治療を行います。治療開始後も定期的な通院・検査を行いながら、慎重に病勢を管理していくことが大切です。
当院では、血管炎診療に経験豊富な専門医が診察を行い、早期診断に努めています。院内で迅速に測定可能な血液検査機器を用いて炎症の状態や腎臓機能、肺機能を評価し、診断を進めます。入院での精査や治療が必要と判断した場合には、リウマチ・膠原病を専門に診る総合病院へ迅速に紹介・調整いたします。また、入院先が少し遠方になる場合でも、退院後は当院で外来治療を継続できますのでご安心ください。
原因不明の持続する発熱(37.5度以上)が続く方、成人になってから喘息を発症した方、皮膚の紫斑、血尿などの症状がある方は、早めの受診をおすすめします。
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